レスベラトロール2012.12.23
浜松町第一クリニック横浜院、院長の渡邉です。
いつも旅行や食事の話題だけでしたので、多少アカデミックな面も・・・・と思いブログを更新します。
私は日本抗加齢学会に所属していますが、今月号の学会誌で興味深い特集がありましたので
簡単に紹介させていただきます。
数あるサプリメントの中に「レスベラトロール」というものがありますが、
最近これが特に注目されています。
レスベラトロールは赤ワイン、ブドウの皮、ピーナッツの赤皮に含まれる抗酸化物質です。
レスベラトロールが注目されだしたのには訳があります。それは1990年代のフランスにおける
疫学調査の結果が興味深い事実を示してくれたからだと言われています。
フランス人は高脂肪、高カロリーの食事を多く摂っているにもかかわらず心臓病の有病率が低く、
加えてヨーロッパにおいて平均寿命が最も長いそうです。これは「フレンチ・パラドックス」と言って
長年議論の的となっておりました。
そこで、赤ワイン摂取量に着目した疫学調査が行なわれ、その結果フランス人の赤ワイン消費量が
他国と比較して有意に多かったことから、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種である
レスベラトロールが健康長寿に関与するのではないかと推察されたのです。そういえばTVで
聖路加病院の日野原先生が夕食ごとに赤ワインを飲んでいる放送を見たことがありますね。
何となく信憑性があるような気がしてきます。
科学的な実証とエビデンスですが、この数年間のレスベラトロールに関する論文は年間800編を超えています。
特にその機能で注目されているのは
①糖尿病予防効果
②抗動脈硬化作用
③血管保護作用
④癌の予防
⑤EDの改善
⑥アレルギー抑制
...等々であります。
レスベラトロールは悪玉活性酸素種であるヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドを
速やかに還元させるだけではなく更に生体に有利に働く(抗炎症、抗ガン作用)物質に
変換する働きがあります。この作用によって上記の①~⑥の機能を発揮します。
それでは何故今レスベラトロールがアンチエイジングの研究対象として
更なる脚光を浴びだしたのか?
そこにはノーベル賞級の画期的な発見があったからだと言われています。
その辺を次号で御紹介します。